少子高齢社会の一層の進展が予測される中、「人生100年時代」の到来を見据え、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会づくりが重要となっています。 このような中、活力ある持続可能な社会の実現に向けて、全世代や生涯の長きにわたり国民に大きく影響しうる栄養課題を改善・解消していく必要があります。この観点から、日本が注力して取り組むべき主な栄養課題として、「食塩(ナトリウム)の過剰摂取」、「若年女性のやせ」、及び「経済格差に伴う栄養格差」があると考えられます。
食塩の過剰摂取
- 日本における危険因子別の関連死亡者数を見ると、食事因子としては食塩の過剰摂取が最も大きい。
- 日本人の食塩摂取量は、長期的には減少傾向だが、諸外国よりも多く、世界保健機関(WHO)が推奨している量の約2倍摂取している。
若年女性のやせ
- 日本の20歳台、30歳台女性のやせの者の割合は中長期的には増加傾向を示しており、主な先進国の中でも、成人女性のやせの者の割合は最も高い。
- 若年女性のやせは、骨量減少、低出生体重児出産のリスク等と関連があることが示されている。
経済格差に伴う栄養格差
- 2018(平成30)年の日本の「相対的貧困率」は15.4%、「子どもの貧困率 」は13.5%となっている。
- また、主な先進国で国際比較すると、日本は「子どもがいる現役世代のうち、一人親世帯の貧困率」が高い。
- 国民健康・栄養調査結果によると、食品を選択する際に「栄養価」を重視すると回答した者の割合は、世帯所得が200万未満の世帯員で有意に低かった。
出典 自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会報告書より一部改変